ひとり暮らしの世帯が30%を超え、個住の増加傾向はとまりません。一方で、クラウド技術や移動、セキュリティサービスの進展により人々は新たなつながりやまとまりを生み出し、空間を越えてサービスや関係を共有しながら暮らしていくスタイルも増えてきました。集団の中の個、あるいは個の集合のかたちが新たに問い直されていく今、生きていく張りや充足のありかたも、新たに模索されなくてはなりません。新しい時代状況やバランスの中に、幸せのかたちを見立て直していく必要があるのです。これらの課題を「家」という具体性の中で分かりやすく可視化していくプロジェクトがHOUSE VISIONです。

テクノロジーと知恵、そしてクリエイターと企業のアクティビティを掛け合わせ、極めて、実践的な視点から未来を可視化していきます。住生活産業を越えて「家」を未来の多様な産業の交差点と考え、産業の新たな成長点を見いだしていくことが重要な目標です。同時に、普通の人々にも分かりやすいかたちで、生活者の「希求」に、良い意味でのエデュケーショ ナルな影響を及ぼしながら都市や住環境の未来を、一歩前に動かしていこうと考えています。

HOUSE VISIONは、2011年3月より、建築家、研究者、多様な企業、行政との対話を重ね活動を続けています。2011年には東京と北京にてシンポジウムを開催し、2013年には東京・青海で23日間に亘って「新しい常識で家をつくろう」というテーマのもと、HOUSE VISION 2013東京展を開催し、「家」を基軸とした新しい産業の可能性を提示しました。ここ一年では、ジャカルタ、クアラルンプール、北京、台北、ハノイ、バンコクなどアジア各地域での活動を活発に進めてきました。